統計検定準1級を受験しました

概要

統計検定準1級を受験し、無事合格できましたので試験についてメモしておきます。

統計検定準1級の概要

統計検定とは

統計質保証推進協会が実施、日本統計学会が公認の民間試験です。

最近、データサイエンス系の資格・試験が増えてきていますが、その中でも統計検定は比較的由緒正しい?試験という印象があります。統計数理研究所の人材育成プログラムにおいても、スキルの目安として統計検定が触れられています。

検定種別

検定の種別としては以下の10種が用意されています。

  • 統計検定1級
  • 統計検定準1級
  • 統計検定2級
  • 統計検定3級
  • 統計検定4級
  • 統計検定 統計調査士
  • 統計検定 専門統計調査士
  • 統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)
  • 統計検定 データサイエンス発展(DS発展)
  • 統計検定 データサイエンスエキスパート(DSエキスパート)

統計検定1級~4級が一般的な統計学の知識を問う内容になっています。このうち、大卒程度の人がスキルアップ等で受けるのは1級、準1級、2級あたりといった感覚です。

1級はPBT方式(指定の日時に会場で受験)ですが、1級以外はCBT方式(任意の日時にテストセンターで受験)で気軽に受験できるようになっています。

統計検定準1級について

統計検定準1級の概要は以下の通りです。

出題形式 5肢選択問題、数値入力問題
問題数 25問~30問
試験時間 90分
合格水準 100点満点で、60点以上
出題範囲 統計検定準1級出題範囲表
試験方式 CBT(Computer Based Testing)方式
受験料(一般価格) 8,000円

統計検定準1級は試験範囲がなかなか膨大です。準1級は2級の範囲をすべて含むので、初学の範囲が多い場合は2級から順に受験するのも良さそうです。私は後述の受験動機から、2級を受けずに準1級を受けました。

受験の動機

少し前にも統計検定に興味をもったことがありましたが、試験範囲の大半が初学の内容で試験勉強がなかなか重そうだったので受験は見送っていました。

その後しばらく経ち、意思決定の場面で統計学ベイズ統計を上手く使ってみたいと思い、2022年12月頃からベイズ統計について学習していました。そこで『データ解析のための統計モデリング入門』を読み、確率分布や一般化線形モデルに基づく統計モデリングの枠組みについて理解を進めていました。

あわせて『StanとRでベイズ統計モデリング』を読み、コードベースで手を動かしながらベイズ統計やMCMCの理解を進めていました。

そうした学習を進めるうちに、それまでの知識も含めて統計検定準1級に求められる知識がある程度ついてきたことに気がつきました。それまでの学習の理解度を公的な基準で確かめてみたいと思い、準1級を受験してみることにしました。

試験勉強

書籍

公式のワークブックと問題集で試験勉強を行いました。ワークブックと問題集の問題は通しで1周解いてみた後、理解が浅いと感じたところを再度解くという流れで勉強しました。

動画

問題を解く中で、わからない単元については個別に勉強するようにしていました。単元ごとの解説はワークブックにあるのですが、あまりわかりやすいとは言えないです。そういった個別の単元の理解においてはYouTubeの動画が役に立ちました。

試験勉強の初めの頃は2級の内容から勉強する必要があったので、『とけたろうチャンネル』の統計検定2級講座の動画を見て勉強しました。

準1級の範囲でわからない部分は『データサイエンスLab.』の動画が非常に参考になりました。

試験について

受験申込

2023年1月15日(日)を試験日として1週間前に予約しました。予約可能期間は会場によりますが、私が利用した会場では1週間前までの予約が可能でした。

試験当日までにオデッセイ コミュニケーションズのアカウント登録も済ませておきます。

試験当日

試験当日は電卓と身分証明書を持参します。電卓は新調しました。

試験結果

63点で合格でした。(合格基準60点)

試験中に基本的な数式も飛んでしまったりして、合格ギリギリの点数になってしまいました。問題を繰り返し解いた回数が少なく、知識の定着が甘かったと感じました。ただ、試験範囲の広さに対して問題数が30問程度ということもあり、自分の得意な範囲が出るかどうかのところもあります。短期間で合格したいのであれば、受験料を惜しまず早めに受けてみるのも手な気がします。

感想

今回の試験勉強で、これまでの雑然とした統計学の理解が体系化できました。勉強してみると様々な分野で統計学の知見が背景にあることがわかり、新しい物事を学ぶ際の理解がスムーズになりそうです。