概要
2024年春期試験でネットワークスペシャリスト試験に合格しましたので書き記しておきたいと思います。
受験動機
情報処理技術者試験に関しては、2019年の秋期試験で基本情報技術者試験、2021年の春期試験で応用情報技術者試験に合格しました。2021年の秋期試験ではデータベーススペシャリストに申し込みましたが、仕事上そこまで必要でもないため勉強も捗らず当日も受験せずの結果でした。
その後しばらく情報処理技術者試験からは遠ざかっていましたが、最近になってやはり非専門ながら情報処理に対してある程度の理解があることは示しておきたいと思い、高度区分の試験に対する意欲が再燃してきました。
特に苦手意識のあるネットワーク分野について正しい知識を得たかったことや、普段の Python の操作においてもネットワーク関連のエラー時に TCP/IP の知識の必要性も感じたことから、2024年春期試験でネットワークスペシャリスト試験を受験することにしました。
試験勉強
試験勉強としては4か月前の2023年の年末頃から開始しました。
全般的なテキスト
『マスタリング TCP/IP 入門編』は以前から持っていたため、まずはこれをテキストとして使いました。
試験勉強を始めた段階では理解できていない箇所も多かったですが、過去問演習を進めるうちにわかる範囲が増えていく過程はやりがいがありました。
また、こちらの『図解入門 TCP/IP』は図解はもちろん目次構成もわかりやすそうな印象だったので、ピンポイントで見返すためのテキストとして購入しました。
あと、『ネスペイージス』も上記でカバーされていない範囲などの勉強の際に適宜参照していました。
午前Ⅰ対策
応用情報に合格したのは3年前なので、午前Ⅰ免除は無しでの受験となりました。
午前Iの対策は『応用情報技術者過去問道場』で、80%くらいの正答率になるように繰り返し解答しました。
午前Ⅱ対策
午前Ⅱの対策も『ネットワークスペシャリスト過去問道場』で行いました。
といっても午後の対策を進めていれば午前Ⅱの特段の対策は不要なので、勉強開始当初の基礎知識習得や試験直前のチェックとして過去問道場を使いました。
午後Ⅰ、午後Ⅱ対策
上記の『マスタリング TCP/IP 入門編』や『ネットワークスペシャリスト過去問道場』などで基礎知識や頻出用語をざっと確認した後、1月上旬頃から早速午後問題の過去問演習を行いました。過去問は最終的にR5,R4,R3,R1,H30,H29の6年分を各3回解答しました。
過去問演習では定番の『ネスペ』シリーズを参考にしました。過去問演習を繰り返して問題で求められている解答のポイントを抑えることがネスペ対策の肝になりますが、ネスペ本の詳細な解説は非常に参考になりました。
技術評論社のサポートページから過去問の解答用紙のPDFがダウンロードできます。
過去問を何度も解答するのに紙を印刷するのは煩雑なので、解答用紙の PDF は iPad のノートアプリ(GoodNotes)にインポートし、 Apple Pencil で書き込みながら解答していました。
その他教材
その他、試験対策含め趣味的なものとして、日経クロステックの有料会員に登録して『日経NETWORK』を読んだりしました。
試験勉強をしていた頃にちょうどメール認証の記事がいくつか上げられていたので出題の可能性のあるテーマとして少し意識していましたが、実際に今回は午後Ⅱで出題されたので結果的にかなり役に立ったかもしれません。
また、『体験しながら学ぶ ネットワーク技術入門』を読み、仮想ネットワークの実装やWiresharkを使ったパケットキャプチャをしたりもしました。
YouTubeチャンネルの『まさるの勉強部屋』は息抜き的な勉強や復習・整理に役立ちました。
試験当日
試験日は2024年4月21日でした。受験した令和6年度春期試験の問題はこちらで公開されています。
午前Ⅰ
2択くらいまでは絞り込めても確信はない解答も多く、大丈夫だろうとは思いつつも自己採点するまでは多少不安も残る感触でした。受験後の自己採点では80%の正答率でした。
午前Ⅱ
午前Ⅰと同様に確信のない解答も多かったので、こちらも多少の不安もある感触でした。受験後の自己採点ではこちらも80%の正答率でした。
午後Ⅰ
問1と問3を選択しました。いくつかわからない問題があったものの、感覚的な正答率は70%程度で合格ラインは大丈夫そうという感触でした。
午後Ⅱ
問2を選択しました。高得点の自信はありませんでしたが感覚的な正答率は70~80%程度で、こちらも合格ラインは大丈夫そうという感触でした。
1時間ほどで解き終わっていたので、何度か見直した後途中退室しました。午前Iからの受験だと途中の休憩時間も含めてかなりの長丁場だったので疲れました。
合格発表
7月4日に合格発表があり、下記の点数で合格でした。
午前Ⅰ | 81.60点 |
---|---|
午前Ⅱ | 80.00点 |
午後Ⅰ | 78点 |
午後Ⅱ | 62点 |
午後Ⅱの感覚的な正答率と点数に乖離があったりもして、蓋を開けてみればギリギリでしたが合格で良かったです。
ただ、ネット上の合格報告なども見ていても午後Ⅱでの感覚と結果のズレを感じている方は多いようです。合格率を一定に保つための受験者間の相対的な得点の調整の噂は今回に限らずあるようですが、特に今回は午後Ⅱの問2で問題不備による対応などもあったのでイレギュラーな点数調整等もあったのかもしれません。
感想
ネットワークは元々苦手意識もあり、試験についても暗記が必要な部分が多いと聞いていたので、合格できるか不安なところもありました。 しかし、いざ始めてみると、勉強すればするほどわかることが増えていくネットワーク分野の奥深さに面白みを感じ、試験勉強の充実感はこれまでの資格勉強の中で一番だったように感じます。
普段遭遇するネットワーク関連のエラーに対する解像度も高くなり、受験して良かったと感じます。せっかく知識が身についたので、これを活かして近いうちに情報処理安全確保支援士の受験も考えてみたいと思います。